運動のススメ
明けましておめでとうございます。
・・・栃木県にも緊急事態宣言が発出されました。患者さんのからも近場でのコロナ感染の話をちょくちょく耳にするようになって、コロナが間近に感じるようになってきました。私たちにできることはこれまで通り密を避け、マスク・手洗い・消毒・換気を徹底し、うつさない・うつらないための行動を確実に実践するしかありません。いつまで続くのか出口の見えない迷路の中にいるようですが、明けない夜はないことを信じて粘り強く頑張っていきましょう!
年が明けて少し気にかかることは、筋肉や関節の動きが硬くなったり筋力が落ちてきている人が多いことです。「年末年始はほとんど外出しなかった」という方が散見され慢性的な運動不足が懸念されます。先日、アメリカの医学学術雑誌『Annals of Internal Medicine』がスマホのアプリを活用して世界187カ国を対象におこなった歩行数の調査で、世界保険機関(WHO)のパンデミック宣言が発令された3月11日以降30日間の1日平均の歩行数は、それ以前より1432 歩もの減少が見られたと発表しました。1400歩といえば約1km歩く距離が減った計算になります。特に中高年の運動不足が顕著になっていて廃用性症候群などの全身への悪影響が懸念されます。
廃用症候群とは「長期臥床(寝たきり)により、心身の活動性が低下してきたことにより引き起こされる病的状態」と定義されています。これは入院などで寝たきりの状態を余儀なくされ、運動量が減ることで起こる心身の機能低下を起こした状態です。廃用症候群は高齢者だけではなく、子どもや若者にも現れる症状ですが、加齢によりすでに身体機能が低下し始めているため特に高齢者に多いといわれています。その状態で長期間活動量が低下すると機能低下が加速し、廃用症候群が起こり寝たきりになってしまう逆転現象も。長期の安静などが続くとだれにでも起こる可能性がある廃用症候群。症状の種類は筋力低下や筋肉の萎縮から抑うつ状態、認知機能の低下までさまざまです。
最新の研究では、運動を取り入れることによって脳細胞が増えたり、脳内物質の分泌が活発になるなどして、記憶力・認知力・実行力が向上することがわかってきています。運動はダイエットや筋力を保つだけではなく、脳のコンディションを整えるためにも効果があります。
予防にはできることから積極的に取り組んでいくことが大切です。有酸素運動からストレッチ、自重を用いたパーソナルトレーニング、ドローインによる呼吸指導、体幹強化など、当院ではこれらの運動がしっかり提供できます。自分に合った運動習慣を身につけコロナに負けない体を作りましょう!
では本年も宜しくお願い致します。
URL : http://www.kato-seikotsuin.co.jp/news/post3267.html